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夢女子兼腐女子な美波が何を言いたいか察した俺は、フンッと鼻で笑ってやった。
「あぁヤダヤダ! 二次元と三次元ごっちゃにすんなよ。腐女子の悪いところ駄々漏れてんぞ。密封容器にしっかりしまって鍵かけとけよ」
「あんだけノロケておいてからのガチ恋否定は、とてもじゃないけど信じられませんものぉ」
「だから俺が厄介オタクのガチ恋とか、ありえねぇし。芸能人相手に恋なんてするだけムダだし、俺がそういう面倒臭ぇ奴じゃないと思ったから、侑弥くんが飯に誘ってくれたワケだし」
「えぇー、リアリストすぎてつまんなーい!」
「お前の下品な楽しみとか、知るか」
「あ、そうだ! 彼氏には向かない、『3S』って呼ばれてる職業もあるんだよ。知ってる?」
この後俺たちは、小一時間ほどオタク話に花を咲かせた後、ファミレスを出た。
店前で美波と別れ、俺は自宅マンションへ向けて歩きだす。
そろそろ九月下旬を迎える今夜も、日が沈んでもまだ気温は高いままで、暑い。
相変わらず湿度も高く、べたつく空気も不快だ。
そんな身体の不快が精神にも影響しているのか、心の中もモヤモヤと不快な感じだ。
何だよ、「女子がつきあっちゃいけない男の職業の3B」って。
最近はそこに舞台俳優加えて4Bって、知るかよ。
俺は男だから関係ねーし。
つきあっても幸せになれない、と言われても、「だから?」って感じ。
俺は侑弥くん含め、歴代の推しの誰にもガチ恋してねーし。
熱愛や結婚系の報道がでると冷めるだけ。失恋とは違う。
推し活するまでに、まっとうに恋愛して、失恋もしたことがある俺が言うんだから、間違いないし。
それに前推しは、担当声優が薬事法違反したせいで冷めたわけだし。
…………めんどくせぇ。
本当マジめんどくせー! 4Bなんて知るかー!
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