10・ハロウィンパーティー

1/5

104人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ

10・ハロウィンパーティー

侑弥くんとお好み焼き屋へ行ってから、約一ヶ月後の十月半ばの、マジで客が来ない平日の昼下がり。 俺があくびをこらえながら、接客カウンター用の椅子へ座っていると、ズボンのポケットの中で私用のスマホが震えた。 俺は素早く店内を見渡し、客と上司がいないかを確認。――よし、OK。 少し離れたところで同僚が、ファイルを見ているだけだ。 ということで俺はスマホを取り出し、誰からの着信かを確かめる。 『今週末都合があえば、うちでハロウィンパーティーしませんか? ハロウィン当日は、僕に仕事が入っててできないから、一週間以上早くやることになるんだけど笑』 あばばばば! 侑弥くんからじゃありませんかっ! はははハロパのお誘いだとー?! しかも侑弥くん家でだって?! そんなの参加するに決まってんじゃん! 『仕事終わってからならいつでも暇なんで、夜ならいつでもOKです! 日曜は仕事なんですが、土曜は一日休みなので、土曜なら何時からでも行けます!』 『なら、今週の土曜日の十八時くらいからにしようか』 『おけまるです!』 『ハロウィンパーティーだから、お菓子持ってきてね。 ケーキはこっちで用意するから、ケーキ以外でよろしく』 『かしこまりましたー!』と入力し、送信ボタンを押そうとした時、あることに気がつき、俺は文章を追加する。 『かしこまりましたー! パーティーには俺以外、誰が来るんですか?』 『声かけたのは真伍くんが一人目だから、まだ真伍くん以外は未定。 あと三〜四人くらい誘ってみるつもり。 でももしその人たちに断られて、二人きりのパーティーになっちゃったら、ごめんね』 『全然大丈夫です! 俺一人でも盛り上げてみせます!』 『ありがとう。ではこれから他の人へ声かけてきます』 三〜四人とは初対面になるのが少し気になるが、まぁ俺はそんなに人見知りしない方だし、空気読みつつ、営業の仕事する感じでいけばいいだろ。 そんなことより! 俺を一番に誘ってくれたってマジか?! 絶対に違うのは分かってるんだけど、まるで俺が侑弥くんの一番の友達みたいじゃん! ヒャッホーイ! 嬉しいぃぃ!
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加