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10・ハロウィンパーティー
侑弥くんとお好み焼き屋へ行ってから、約一ヶ月後の十月半ばの、マジで客が来ない平日の昼下がり。
俺があくびをこらえながら、接客カウンター用の椅子へ座っていると、ズボンのポケットの中で私用のスマホが震えた。
俺は素早く店内を見渡し、客と上司がいないかを確認。――よし、OK。
少し離れたところで同僚が、ファイルを見ているだけだ。
ということで俺はスマホを取り出し、誰からの着信かを確かめる。
『今週末都合があえば、うちでハロウィンパーティーしませんか?
ハロウィン当日は、僕に仕事が入っててできないから、一週間以上早くやることになるんだけど笑』
あばばばば! 侑弥くんからじゃありませんかっ!
はははハロパのお誘いだとー?!
しかも侑弥くん家でだって?!
そんなの参加するに決まってんじゃん!
『仕事終わってからならいつでも暇なんで、夜ならいつでもOKです!
日曜は仕事なんですが、土曜は一日休みなので、土曜なら何時からでも行けます!』
『なら、今週の土曜日の十八時くらいからにしようか』
『おけまるです!』
『ハロウィンパーティーだから、お菓子持ってきてね。
ケーキはこっちで用意するから、ケーキ以外でよろしく』
『かしこまりましたー!』と入力し、送信ボタンを押そうとした時、あることに気がつき、俺は文章を追加する。
『かしこまりましたー!
パーティーには俺以外、誰が来るんですか?』
『声かけたのは真伍くんが一人目だから、まだ真伍くん以外は未定。
あと三〜四人くらい誘ってみるつもり。
でももしその人たちに断られて、二人きりのパーティーになっちゃったら、ごめんね』
『全然大丈夫です! 俺一人でも盛り上げてみせます!』
『ありがとう。ではこれから他の人へ声かけてきます』
三〜四人とは初対面になるのが少し気になるが、まぁ俺はそんなに人見知りしない方だし、空気読みつつ、営業の仕事する感じでいけばいいだろ。
そんなことより! 俺を一番に誘ってくれたってマジか?!
絶対に違うのは分かってるんだけど、まるで俺が侑弥くんの一番の友達みたいじゃん!
ヒャッホーイ! 嬉しいぃぃ!
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