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「どちらでもお好きな方へどうぞ」
「嫌だよ! 俺は若くて可愛い女の子が好きなんだ!」
「うっわ、キモ。おっさんみたいなこと言わないでよ」
「キモくても、もうこの際、俺おっさんでいいわ」
「真伍には色々貸しがあるでしょ。今だって愚痴に、こうやってつきあってあげてるわけだし。チケット代おごるから、一緒にいこーぜぃ!」
この後ややしばらく、行く行かないで美波とモメた。
しかし口が達者な彼女に俺は説き伏せられ、明後日の日曜日に人生初の、2.5次元イケメンパラダイス舞台を観劇することになってしまったのだった。
切っかけはたまたまではあるけれど、この強引な誘いは、推しが炎上してへこむ俺への、美波なりの気遣いなのだろう。
そう俺が気がついたのは、飲み会翌日の朝、トイレをすませたあとだった。
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