2・2.5次元舞台初観劇

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主人公は女子大生で、夏の二週間の物語。 彼女が親友と男の幼なじみの三人で、ゼミの教授の親戚が経営する、孤島にある洋館風ホテルへ行くところから話がスタートする。 着いた先でヒロインたちを待っていたのは、ミステリアスな従業員、訳ありっぽい宿泊客。 真っ赤なあかずの部屋と黄金の鍵。 そして起きる、オカルティックな惨劇。 封印されていた悲劇と、過去と今をつなぐ愛と恋。 後半「クサいな」と感じる箇所もあったが、王道で幕引きされる物語だったので、そのベタさもまた良いと思わせられる舞台だった。 美波の説明によると、今回上演されたのは、原作一番人気のメインヒーロールートの話であるらしい。 そのメインヒーロー役の演者も、今回の全キャストの中で一番人気とのこと。 だが、どうでもいい。 ヒーローくんが野郎だからどうでもいい、のではない。 美少女ヒロインや、同じくらい可愛い女友達役の演者にも、興味はない。 彼や彼女らは、俺の推しじゃないから、どうでもいい。 ただそれだけの話。 つまり俺は彼ら以外で、新しい推しを見つけたってこと。 * 大千秋楽だったせいか、三回もカーテンコールがあった。 よって、帰るために俺たちが乗り込んだ電車は、想定していたよりだいぶ遅い時間のものだった。 車内は少しだけ混んでおり、所々に席の空きはあるものの、二人並んで座れるスペースはなかったため、扉付近に美波と並ぶ感じで立つ。 「美少女好きのあんたがヒロインちゃんじゃなく、東海林侑弥(しょうじゆうや)にハマるとはねぇ! ……見抜けなかったわ。小一からオタクしてる、この私の目をもってしても」 「節穴なんだから黙ってろ」 「恥ずかしがらなくてもいいし。カッコいいもんね、侑弥くん」 「ニヤニヤすんな!」 イケメン動物園な舞台? ふーん? ほーん? へぇー?
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