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「そんじゃな、宮田クン。また連絡すっから」
萌葱くんが俺へひらひらと手をふり、改札を抜けていくのを見送る。
今、俺の目はきっと、死んだ魚のようだろうと思う。
結局あの後、LINE交換するまでは帰さん、という萌葱くんに俺は負け、嫌々LINEを交換させられてしまった……。
そして、自分の意思が通って上機嫌な萌葱くんと公園を出て、近くの駅まで一緒に歩いてきたってわけ。
俺も萌葱くんと同じ電車に乗れば帰れるのだけど……彼と早く離れたかったので、「買い物したいので」と嘘を言い、乗る電車を一本遅くすることにした。
「はぁ……」
もうすぐ二十三時を迎える駅の天井を見上げながら、ため息をひとつ。
仕方ないので、近くにあるコンビニで十分くらい時間を潰してから、ホームへ向かおう。
あぁそうだ、コンビニで明日の朝飯でも買うかな……。
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