22・平日午後二時のラウンジ

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「しかし本命がいるのにお見合いするだなんて、宮田さんて最低ですね」 くるみさんは苦笑いしながら、妥当すぎることを言った。 「本当に申し訳ありません……」 「あーぁ、またダメ男引いちゃった」 「ごめんなさい……」 「まぁ真琴の紹介だから最初から期待してなかったし、ダメ男だけど、ダメ男マスターの私からみてダメさが足りてないから――そうね、今日一日私の買い物につきあって荷物持ちしてくれたら、許してあげます」 くるみさんがいたずらっぽくそう言い、にこっと笑う。 侑弥くんと出会う前に会っていたら、惚れてたかも? なんて思った。 失礼がすぎることをしておいて何を言う、だが、正直な気持ちを伝えて断って良かった。 だってこんないい人に嘘をついてつきあう方が、よりクソ野郎で失礼だと思うから。 「弟には、『ダメさが足りないから私からお断りした』と言っておくわ。そうしないとアイツ、うるさくするだろうから」 ハンドバッグを持ち、くるみさんが椅子から立ち上がる。 「くるみさんって女神ですか……?」 「女神じゃないけど、逃した魚は大きいと思うわよ、なんてね」 もしかして、くるみさんのこのめちゃくちゃ優しい性格が、男をダメにするのかも? つぐないではないが、彼女に釣り合いそうなイイ男を見つけたら、絶対に紹介しようと俺は心に決めた。
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