23・ごめんなさい、大好きです

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「そんな勝手、許せると思う?」 「そうですよね……」 「許せないから、僕が海外修行から戻ってきたら、即結婚すること!」 …………え?? 驚いた俺が土下座の体勢のまま顔だけ上げれば、しゃがんで俺を見つめる侑弥くんと目があう。 「そうしないと許さないし、この条件が受け入れられないなら、真伍くんの要求は全部却下します」 侑弥くんは俺の肩を掴んで引き起こすと、俺を抱きしめた。 「これは約束じゃなく、契約ね」 耳元でそうささやいた侑弥くんは、俺の耳へ口づける。 嬉しさで心臓がぎゅっとしめつけられた俺は言葉ではなく、抱きしめ返すことで彼に返事をした。 「これから僕の家行って婚姻届書いて、明日は婚約指輪を買いに行かなきゃ、許してあげない」 俺の背中へ回されていた彼の右手が下がり、俺の左手薬指を強く握る。 婚約なのにもう結婚届書くの? と、疑問が脳裏に浮かんだが、黙殺。 「……わ、分かりました」 侑弥くんの肩越しに見る、対岸にある遊園地の色とりどりのネオンがにじむ。 彼のコートが濡れちゃうから泣いちゃだめだと思うのに、俺の目はあたたかい涙を後から後からぽろぽろこぼした。
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