24・エピローグ

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「――生身で会うのは約二年ぶりなわけだけど、髪型以外は変わってないね」 一時間ほど前、俺と侑弥くんは無事に空港のロビーで、感動の再会をはたした。 そして現在、侑弥くんは俺が運転する車の助手席に座っている。 「もう成長期は終わってますし、時々ビデオ通話もしてたのに、そんなこと言うんです?」 左隣から感じる彼の視線に少しドキドキしつつ、俺は苦笑する。 「それはそうだけど、画面ごしとリアルじゃやっぱりこう……違うじゃない?」 今車で向かっている先は、帰国した侑弥くんと二人で住むため、俺が三ヶ月前から借りている新居だ。 「ですね。画面ごしでもカッコいいですけど、生の侑弥くんは、やっぱりその一万倍はカッコいいなって実感してます」 当たり前の話、たったの二年ぽっちで侑弥くんの美貌が衰えるわけがない。 というか、この二年の間に、逆にますます磨きがかかったんじゃないかとすら思う。 フランスに行ってすべてが洗練され、大人の色気が倍増したというか……。 ヤバイ……こんな世の宝みたいな人と俺が、これから同じ家に住むのかよ。 緊張と爆上がりテンションで、俺の血管切れるかもしれん。 「真伍くんも生身の方が一万倍可愛いよ」 「ッ〜〜!」 ちょっとぉ〜〜! いきなり爆弾落とさないでくださいぃぃ〜!! 動揺しまくっちゃうでしょ〜!! 「……あの、誉めてもらえて光栄なんですけど……運転中なので、俺の心を乱すようなことは言わないでもらえますか?」 二年前に彼と両思いになった日、 『侑弥くんを最後の推しとし、以降推しはもう作らないから、どうか今回だけ許してくれ』 と強く誓ったものの、遠距離恋愛になるわけだし――正直不安だった。 自分はやすきに流れやすい、弱い人間だと知っているから。 しかしこの約二年間、可愛い子やイケメンを見ても、「おっ、イイじゃん!」とは思っても、誰も俺の心の中の一番をとってかわるようなことはなかった。 それくらい俺は侑弥くんのことが好きなんだなぁと思う反面、目移りする気配すらない自分が少し怖いな……なんて思ったりもして。 だから俺は相変わらず、彼の一挙一動にキュンキュンしてしまう。 「もう何度も言ってることだし、そろそろ慣れて欲しいなぁ」 「リアルに隣で言われると、破壊力が段違いなんですよぉー!」 「うーん……。まぁ事故ると困るから、今はこれ以上言うのはやめておこうか」
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