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トンネルを走り抜けた5人は日照地区に入って行き、20世紀の街並みのままの蛇孔村の中心街にやって来た。
煌々と照らす月明かりのもとで、神谷たちが息を整えながら街に足を踏み入れて行く。
明りでバレるために神谷が懐中電灯を消して、月明かりを頼りにステルス移動して行く。
大衆食堂があり、オヤジな祟られ人がカウンター席について虚ろ飯を食べながらブツブツ言っていた。
「カヨコノヤツ カッテナコトバカリイイヤガッテ」
気づかれずに神谷たちは通り過ぎ、理髪店ではおばさんの祟られ人が鋏を手にお客さんのお婆さん祟られ人と噛み合ってないトークしながら髪を切っていた。
「ジイサンガコシヲヤッチマッテネェ」
「ンフフフフフ ウチノユウタモベンキョウシマセンヨ」
神谷たちは八百屋の前にさしかかり、オッサンの祟られ人がブツブツ言いながら腐った干乾びたきった野菜を売っていた。
「キョウハダイコンガヤスイヨ」
オッサンが後ろを向いた隙に神谷たちが通り過ぎて行く。
と・・
郵便配達員の祟られ人に見つかり、神谷たちが逃げ出す。
「フシンシャハッケン」
走り逃げて行く神谷たちを祟られ人の巡査が振り向き見て言い、追い駆ける。
「クソ!ダメだ!こっちだ!」
神谷が先にいる祟られ人たちを見て右手の道へ入って行く。
がーー
そこかしこに祟られ人たちがいて、街中を必死に逃げ惑う中で天羽と酒田がハグレてしまった。
「咲希がっ!」
如月が必死に走りながら息を切らして言う。
「酒田もハグレたぞっ!」
月倉も必死に走りながら言い、神谷が走りながら振り向くが戻っては行けずに走り逃げ続ける。
「こっちだ!」
祟られ人たちが前から迫っていて路地へと神谷が逃げ込む
がーー
祟られ人たちがいた。
「ダメだ 引き返せっ!戻れッ!」
神谷が立ち止まって2人に言い、月倉と如月と神谷が戻って行くがどこもかしこも祟られ人だらけで3人は逃げ惑い、そしてーー
「ダメだ逃げ切れねぇ!」
月倉が息を切らして走りながら言い、神谷と月倉と如月が逃げ場を失って袋小路に追い詰められた。
「もう駄目だ」
月倉が前から大勢迫る祟られ人たちに絶体絶命を感じて言い、如月が恐怖に震える。
「クソ・・!」
疲労困憊の神谷が身構え、祟られ人たちが迫る。
とーー
刀を手にした男が参上して、真ん前に飛び降りてきた鋭い顔つきの男・斉藤が振り向く。
「人か?」
月倉たちが男を凝視して、月倉が叫ぶように言う。
「人!人だ!」
「クモツヲササゲルゾ」
斉藤が祟られ人たちに向き直り、刀を振るう。
首を斬り落とされた祟られ人が
斉藤がバッサバッサときかきりまき
「こっちだ!」
道を斬り開いた斉藤が3人を引き連れて行く。
行く先にいる祟られ人たちを斬り捨てながら斉藤が駆け進んで行き、巡査が拳銃を構えて立ちはだかって言う。
「ブキヲステナサイ」
巡査が拳銃を斉藤に向けて発砲して、
斉藤は3人を街外れの民宿に連れて来て、塞がっている表口ではなく裏口から入って行き、2階の部屋に上がって一旦落ち着く。
「どこから迷い込んだ?」
開口一番斉藤が
生きた人間に心底ホッとしながら月倉たちが
天羽と酒田を捜さないと
月倉が
何人いる?
斉藤が
おれが捜してくる
大人しく待っていろ
斉藤が
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