2人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
神谷たちは焼埜地区に入って、墓が沢山ある場所に走ってきた。
墓参りしている祟られ人たちが神谷たちを振り向き、神谷が言う。
「止まるな!」
走り続けてきてヘトヘトな月倉たちは何か言いながら迫ってくる祟られ人たちに脅えながら必死に駆けて行く。
「ああッ」
天羽が暗い足元に躓いて転び、如月たちが立ち止まって振り向く。
「優奈!」
如月が助け起こそうと寄り、おばさんが笑いながら襲いかかってくる。
「きゃあっ!」
天羽の首に手をかけて凄い力で絞め殺そうとして、高松が助けに迫って角材で頭を叩き壊す。
おばさんが呻きながら倒れて、高松がとどめの一撃を頭に振り下ろす。
祟られ人たちが迫ってきて、高松が応戦する。
「高松っ!」
神谷がスタンガンで助太刀して、数体を2人で倒す。
「よし行くぞ!」
神谷が言って月倉たちは再び走り出して行く。
神谷たちは駆け抜け、先にいる祟られ人たちを見て神谷が言う。
「こっちだ!」
神谷が墓地の隣りにあるお寺に逃げ込んで、月倉たちが寺に駆け込む。
寺から異様声のお経が聞こえてきて、住職の格好をした祟られ人たちが行く手に現れて、神谷たちが立ち止まる。
「クソ!」
寺に祟られ人たちが入って来て、神谷たちが囲まれてたじろぐ。
唱えていた坊さんが出て来て、神谷たちを見下ろして言う。
「ヤスラカニ イキナサイ」
坊さんがそう言って笑って、迫りくる祟られ人たちに天羽が悲鳴をあげる。
高松が斜め右から迫る住職に突出して襲いかかり、角材で頭をブッ叩く。
神谷がそこから一点突破しようと加勢して、スタンガンで傍の住職を倒す。
「うわあっ!」
月倉が住職に勢いよく掴まれて振りほどこうとして倒れて、住職が首に手をかける。
「この野郎っ!」
酒田が住職の頭を蹴り上げて、住職の手が月倉の首から離れて転がり、酒田が月倉を掴み起こしながら言う。
「大丈夫か!早く立て!」
「こっちだ!」
神谷が空けた包囲網の穴へ皆を誘導して、坊さんが懐から取り出した拳銃を手に迫りながら言う。
「オウジョウシナサイ」
坊さんがブッ放して、弾丸が神谷を掠めてゆく。
神谷たちは全速力で駆けて、坊さんが迫りながらまたブッ放す。
「うぐっ!」
高松の左肩に弾丸が命中して、神谷が声に振り向く。
「大丈夫かッ!!?」
高松が一瞬蹌踉めくも痛みを我慢しながら止まらずに駆け続け、坊さんが逃げ行く神谷たちの背中にブッ放す。
神谷たちは寺の裏山へと逃げて、道なき斜面を駆け上がって行く。
坊さんが闇雲にブッ放してくる中で必死に這い上がって行き、月倉と酒田が女子2人に手を貸す。
「大丈夫かっ?撃たれたか?」
神谷が高松を案じ、高松が痛みに耐えながら言う。
「ああ・・肩を撃たれた」
「止血しないと!」
「あとでいい・・」
神谷たちはひたすら這い駆け上がって行く。
最初のコメントを投稿しよう!