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私にはずっと、仲が良いお友達がいる。
いつもふざけてあったり、話をしたり、ありのままの自分で入れた。
今までそのアイツの事を、友達として好きだったと、思っていたけど、違ってたことに気がついたのは、あの時からだ。
それは、ある日いつものように おちゃらけて、アイツは
「お前、俺の事本当に好きだな」と言ってきた。
「そうだよー、好きに決まってんじゃん!」
いつもの私なら、そう答える事ができた。そうしていた。
なのに、今回はなぜか、「好き」が言えない。喉まででかかってるのに。
「(どうしちゃったの、私!?)」
「おい、どーした。いつものノリだろ?」
アイツが、いつまでも答えない私を不思議に思い、顔を見てくる。
「(ほら、不思議がってるじゃん!何か言わないと)そ、そうだね!」
「何どもってんだよ?(笑)」
「え、なんの事?ごめん、ちょっと用事あるから!行くね」
「……」
私はすっとぼけてその場所から逃げた。
自分の気持ちを整理したくて一人になれる場所に。そして、さっきのやり取りを振り返って落ち込む。
「はぁ~。何やってんだか、私。これじゃ、……アイツの事本当に好きみたいじゃん」
独り言のように呟いて、はっとする。
「(そっか、私。好きなのか 。友達としてじゃなく。恋心で。)」
やっと自分の本当の気持ちに分かった。でも、
「どうやって顔合わせればいいんだ~。無理。」
と、嘆いているときにアイツがきた。
「何やってんだよ、一人で」
こっちの気も知らないで笑いながら来るアイツに、少し腹が立つ。
「べ、別に!」
「ふぅーん。顔赤いぞ」
「ちょっと暑いだけ!」
「ところでさ、やっと恋心自覚した?」
突然確信をつかれて、ドキッとする。
心臓はバクバクしている。
「お前が俺のことを好きだって事、自覚した?」
何も言えなくて、固まっていると、
「その反応は、したんだな?……やっとか」
「え?」
「俺は、自覚させる為に、お前に言ってたんだよ。
思考が追い付かない、アイツはなんて言った?私に自覚させるために?
「何で?」
「だって、あの軽いノリじゃ気がついて、なさそうだったし。俺も友達としての好きじゃ嫌だったし。」
「ってことは」
「そうだよ。俺もお前が好きだ。ずっと前からな。で?」
私の恋心は、アイツの策略どうりにだったらしい。
悔しいけど、もう認めるしかない。
「そうだよ。今頃やっと気がついた。私も貴方が好きだってことに。」
「じゃ、今から友達じゃなくて恋心としてよろしくな。」
終わり
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