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『桜花堂出版社』略して『OKADOU』
なんとか会社に到着した華音は
慌ててEVに乗り込んだ。
「あ~間に合った」とほっとする彼女。
そこに、「おはよ~」
同期の宮本里美が入って来た。
眠そうな彼女に向かって
華音が話しかける。
「里美・・寝不足?」
「そう・・昨日さ、貯めてたDVD一気に
観てたら、ほぼほぼ朝になってた」
口に手を当て大あくびする里美。
「もう、そんなんで仕事できるのかね?」
呆れる華音。
チン・・
EVが二人の職場フロアに到着した。
二人が出入口から入ると、広いフロアに
仕切られたスペースが見える。
左手に華音が在籍する
『女性向けの食に関する雑誌』
『DISH』の編集部。
右手には、
『女性に大人気のファッション雑誌』
『STARS』の編集部、
同期の宮本里美の所属部署。
そして、彼女らが務める会社が
『桜花堂出版社』略して『OKADOU』。
女性をターゲットにした、書籍を
出版し、ファッション、育児、
食事などを含む幅広い層に人気の
書籍を次々と世に送り出している。
そこで働く女性社員の割合は六割。
各編集部によって働く社員の年齢層も
幅広い。
例えば、宮本が在籍する『STARS』編集部は、
二十代で構成されており、
宮本は、年齢的に大先輩と呼ばている。
一方、華音が在籍する『DISH』の編集部は、
三十代から四十代のスタッフで構成されており
二十代の華音は一番下。
若輩、後輩と呼ばれていた。
今日も華音の仕事が始まる。
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