第4章 『Red』

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 確かカヤは、最初は「怪我をしたら自分の能力で治せるから」と言って迫って来た筈だったのだが……。軽く混乱している五堂を見て吉祥寺は「大丈夫か?」と心配し、ルードは深く溜息をついている。 「ははは。賑やかでいいですねぇ~。あ、もうすぐ着きますよ。赤い服の新メンバーさん?」  ハンドルを握る北川さんののん気な声と表情に、怒りややる気など全ての感情を削がれてしまった五堂は、「……もう、勝手にして……」と、力無く呟き。ゆっくりと前に向き直ると、徐々に痛んで来た頭を片手で押さえた。そしてひとつ、心の底から大きな溜息を漏らしたのだった。 [next→第5章 https://estar.jp/novels/26129507] 
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