第4章 『Red』

128/129
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
 キッと見返して来る鋭いその瞳を負けじと見つめ、五堂は問いかける。 「あなたは……何でそんなに私達の仕事について来たがるの? 何か目的でもあるの? ……その理由を、教えて?」  その言葉に、北川さんを除く誰もがはっとして流樹を見た。四人分の視線を一度に受けた彼女は、驚いて数回両目をぱちくりとさせるが。すぐにいつもの調子に戻り、大きな胸を張って堂々と答えた。 「そんなの決まってるじゃない。面白そうだからよ!! 目的なんか無いわ」  …………。  暫くの間、夜道を走っている車の静かなエンジン音だけが響き渡る。 「何よ?」 「……お、面白そうって……たったそれだけの理由で……?」  引き攣った表情を浮かべやっとの思いで話す五堂に、流樹は「そうよ、他に何があるの?」と、しれっと返す。 「偶然だね流ちゃん! 実はあたしも、最初は面白そうだな~って思って助手にしてもらったんだぁ♪」 「本当カヤちゃん!?」 「えっ、ちょっと待って。私、初めて聞いたんだけどその理由……」
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!