日陰のタンポポ

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 ある日の放課後、2人が揃って会いに来た。 「何?」 「陽貴…話が」  譲の分かりやす過ぎる表情(かお)に言葉を遮る様に俺は言う。  笑顔で言おうと決めていた。 「やっとくっついたのかよ?(おせ)ぇんだよ‼︎」 「陽貴、あの時ぶったりしてごめんね。私も陽貴とのに…」 『そんなに好きじゃなかったのかも』  思わぬところで失恋の追い打ちを喰らった。  気を抜いたら途端に泣き出しそうなくらい、まだ俺は杏の事を好きなんだと思い知る。  本当はずっと好きだっただなんて、今更言っても仕方ない。  今出来る最大限の笑顔で見送ってやる。 「まぁ、なる様になったって感じだな‼︎」 「一緒に帰ろう?」  俺は、ふと目を伏せた譲の不安そうな顔を見逃せなかった。  杏ってマジで鈍感なやつだよな…。 「…そういうのは、もうやめようぜ」
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