日陰のタンポポ

混雑していないうちに…と部屋の奥にあるカウンターにドリンクチケットを交換しに行った。中途半端に残ると邪魔くさいねと言って2人してペットボトルのミネラルウォーターを選んだ。後ろの方に並んで立ち、譲の出番を待った。スピーカーから流れる地響きみたいな音のせいで会話もままならない。開演時間になると会場の照明が落ち、スピーカーからの音も消えた。譲たちがフラッとステージに出て来て、ぼんやりとした光の中で各位置にスタンバイした。マイクや楽器の音量の調節をしながらギターの人が挨拶をしていた。