ペロペロキャンディーとわたしとあの子の夢

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 わたしは大阪駅に降り立った。どうしてこの地にやって来たのかって? それはあの子に会うために‥‥‥。    あれから時は経ちわたしは少し大人になった。もうおかっぱ頭の小学生の子供じゃない。  だけど、カバンの中にはわたしの大好きなものを詰め込んでいるのだ。そうちょっと甘いあのお菓子をね。  そして、あの子に見せよう。ねえ、これを見てよと。あなたの手に入れたいものをしっかり掴んでよとそう伝えたい。 ★★★  わたしは幼い頃から小説が大好きだった。三度のご飯よりもと言うのは嘘だけど、それほど小説を読んでいるとその世界観に入り込んだ。  その世界の中が居心地よかったりわくわくドキドキしたりした。ずっといたいなと思ったこともある。  そして、そのうちわたし自身がそんな空間を作ってみたいなと思い始めた。  頭の中にふわりと映像が浮かぶ。わっ、これを文章として書いてみたいなと思いわくわくしてくる。すると書きたくてうずうずしてくるのだ。  だけど実際に書くと上手く表現できなくて‥‥‥。  そうあの子もふわりと浮かんだような気がするのだけど‥‥‥。  東海道山陽本線の新快速電車に大阪駅から乗りおばあちゃんの住んでいる駅で降りた。なぜだか突然『おばあちゃんの家に行こう』と思い立った。何故だろうか?
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