ペロペロキャンディーとわたしとあの子の夢

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「まりなちゃん、急がなくてもいいよ。ゆっくり思い出してね」  女の子はスイカをペロッと食べ終えいつの間にかペロペロキャンディーを舐めていた。 「ペロペロキャンディー好きなんだね」  この女の子は中学生くらいなのになんだか子供ぽいなと思いながら尋ねた。  だけど、わたしはこの女の子に主導権を握られているんだなと思うとちょっと可笑しくなる。 「うん、ペロペロキャンディー大好きなんだ~美味しいよ」  女の子はそう答えペロペロキャンディーを舐めた。 「そっか、見てると食べたくなるよ」  わたしはクスクス笑いながら大きな口を開けてスイカをかじる。スイカの甘い果肉が口の中にじわりと広がった。  それからしばらくするとおばあちゃんが買い物から帰ってきた。  トントントンと野菜を切る音が耳に心地よく響く。何か手伝おうかと言ったけれど、おばあちゃんは「疲れたでしょう。ゆっくりしててね」と言った。  わたしはお言葉に甘えて畳に足を伸ばし寛いでいる。隣にわたしと同じように足を伸ばし寛いでいる女の子がいるけれど。  風鈴の音がチリンチリンと鳴る。夏の風鈴はなんだか涼しさを感じ耳にも心地よい。  
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