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「さあ、食べましょう」
おばあちゃんがテーブルの上に炊き込みご飯と茄子がたっぷりの夏らしい炒め物を並べた。
「わっ、美味しそう」
「うふふ、まりなちゃんは炊き込みご飯好きでしょう?」
「うん、大好きだよ。三杯は食べちゃうかな~」
「たくさん食べてね」
おばあちゃんは柔らかい笑みを浮かべ座布団に腰を下ろした。
「いただきます」とわたしとおばあちゃんは手を合わせた。
わたしの隣で女の子がニコニコ笑っている。けれど、おばあちゃんには見えていないようだ。
それはとても不思議で怖いことなのに全然怖くない。
わたしは、茄子、ピーマン、しめじ、豚肉が入っている茄子の味噌炒めに箸を伸ばし口に運んだ。
とろっとした茄子が豚肉と良く合い味噌味が効いていて最高だ。炊き込みご飯がすすむ。
「おばあちゃん、おかわり~」
わたしはお茶碗を差し出した。
「はい、おかわりね」
おばあちゃんはニコニコ笑ってわたしが差し出したお茶碗を受け取りパタパタと台所へ向かった。
「美味しそうだね」
女の子が言いながらわたしの茄子の味噌炒めを見ている。
「え~っと、食べる?」と尋ねると女の子の顔がパッと輝いた。そして、わたしの茄子の味噌炒めのお皿に箸を伸ばし口に運んだ。
「う~ん、美味しい。とろっとした茄子が最高だね」
女の子のその顔はとても幸せそうだった。
この笑顔をわたしは‥‥‥。
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