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人は、よく喧嘩をする生き物だと思う。言語があり、知能があるから、何らかの違いが生まれることによって、どうしても喧嘩に発展してしまう。友人であったり、恋人であったり、上司であったり、家族であったり。高校生である私にとって、身近でよく起こる喧嘩は友人、そして恋人だ。家族とは、なぜか喧嘩をしないらしい。毎日会っているのに、高校生ともなると、家族とはあまり話さないのだろうか。だから、喧嘩にすら発展しないのだろうか。
「ああ、松下君ならこんなことしないのにー」
「は? 今、松下は関係無いだろ?」
「私は事実を言っただけですー」
ほら、また喧嘩。カップルの痴話喧嘩。あれはもう、ダメだな。
喧嘩が起こる言動として、突出して挙げられるのは2点ある。一つは、他人と比べること。さっきのカップルのように、他人と比べられると、比べられた相手は不快な気持ちになる。
人間は、他人と比べることが好きだ。あの子は可愛いけど、この子はそんなに可愛くない。あの子はイケメンだけど、性格がちょっと。あの子よりあの子の方が頭良いんだ。私の方があの子より凄い。
そんなことを思っているから、不快にさせるんだ。喧嘩が起こるんだ。喧嘩をしたくなければ、比較しなければいい。だが、人間もそう簡単に出来てはいない。するな、と言われればしてしまいたくなってしまうし、見るな、と言われたら見たくなってしまう。有名な昔話の一つである『鶴の恩返し』でも、主人公は女に見るなと言われていたのに、つい戸を開けて覗いてしまう。これは人間の一つの心理なのかもしれない。
「もういい、お前といると疲れる。俺たち、別れよ」
「そのつもり。さようなら」
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