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「誰よ、こんな時間に……」
〔よし、これから撮影を始めるぞ!!〕
〔闇の日にぴったりの場所だな!〕
〔八月三日は闇の日……闇より出でし我々の為にあるような日だ!!〕
何人もの足音と男性達の騒がしい声が近付き、翡翠は慌てて走り出す。目指すは進入した時に開けっ放しにしておいた、ベランダの窓だ。
「やば、何かよく聞こえないけど大勢来たっぽ! 今日はこいつだけで帰るしかなさそうね。用事詰まってるから、次は再来週にでも来てやるわッ!!」
言い捨て、ぼろぼろのカーテンが靡く窓から飛び出すと、愛車を停めてある草むらまで一気に駆けて行った。一体どこの誰が、何をしにこの建物に来たのかを知らないまま……。
scene ii
8月10日 18:58
札幌市内・某音楽スタジオにて。
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