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総勢十七名もの人物が一体何をしているのかと言うと――
時は四日前に遡る。現在高校二年生である利亜達は絶賛夏休み中で。それぞれ思い思いの場所に出かけたり、一緒に遊んだり、課題を片付けたりなどしながら有意義な時を過ごしていた。除霊の依頼も勿論あり、三件程の仕事を片付けた。どれも数十分あれば解決出来る簡単な依頼ばかりだった。
そんな中、利亜宅の留守番電話に兎羅からのメッセージが入っていた。内容は『同期のバンドの様子がおかしいし、変な感じがするから幽霊が関わってると思うんで、一度視て欲しい』という物だった。兎羅に折り返し連絡をし、互いの、そして問題の同期バンドの予定を合わせ、漸く集まれたのが本日なのである。
――――
「おーい何か喋れよ! ってか、いくら何でも多すぎねーか!?」
異様なまでの沈黙を破ったのは吉祥寺だった。この雰囲気に耐えられなくなったのか、ふよふよ浮かぶ彼は一同を見回しながら呆れ気味に言い放つ。その言葉を、彼と同じく重い雰囲気に嫌気が差していた兎羅が笑顔で受ける。
「確かにちょっと人数多いかもねー。張り切ってミンナに連絡しちゃったからな!」
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