最終話:勝利のマグナデウス

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最終話:勝利のマグナデウス

 「マジかよ、宇宙空間にギロチンとは悪趣味な輩だな?」  「あれが、メタロココの居間の支配者の旗艦ですの?」  「艦橋にギロチン台って、意味不明」  「悪趣味で~す!」  「うん、皆の精神衛生と宇宙の平和の為に頑張ろう!」  「あれ、元は僕が住んでた宮殿を改造した物です! 」  太陽系を背にしたマグナデウスチーム、龍宮大合神と一家総出の黄家龍王軍。  彼ら以外にもユニバーマン達で構成された、宇宙ヒーローリーグの戦士達。  地球からも神族連合軍含め、多くのヒーロー達が集結。  第四次恐怖の大王戦争以来の備えで、メタロココに対する防衛線を展開していた。  「シャルル、こっちが梅雨時で面倒な時に来た奴らをここで叩きのめそうぜ♪」  「……はい、初めての梅雨で大変な時に戦いだなんて」  マグナシャルルの中、ドラゴンスーツを纏った状態で金馬とシャルルが語らう。  「俺も緊張してるけど、帰ってからの大会はもっと緊張するよ」  デジタルスクリーンがシャルルの前にポップした。  画面からは、ピンク色のドラゴンスーツ姿になているカナメも通信に加わる。  「オ~ッホッホ♪ 笑う門には福来る、こういう時こそ笑うのですわ~♪」  更に加わるのは、高笑いを上げる美少女の声。  赤いドラゴンスーツのメープルが会話に割り込んで来た。  「ハッハ~♪ メープルさんに激しく同意で~す♪」  緑のドラゴンスーツの、ドロシーはアメリカンな高笑い。  「うん、僕ららしいな♪」  青のドラゴンスーツのマッシュは苦笑い。  「お前らその調子だぜ♪ 陽の気をバンバン出して行くぞ♪」  黄色のドラゴンスーツの金馬が微笑みながら指示を出す。  「はい、僕も笑て戦います♪」  シャルルがマスクの下で微笑むと、外ではマグナシャルルの頭部の目が輝いた。  「息子達が楽しそうで何よりだ、俺達も負けてられないな♪」  「はい、シマを取り返しましょう♪」  「まだあの計画生きてたんだな?」  「勿論です、私達のドラゴンシフターユニバースはこれからです♪」  「俺達のユニバース、掴み取るぜ♪」  ドラゴンシフターと二号は、龍宮大合神内部の自分達のコックピットで夫婦漫才をしてテンションを上げる。  「ヒャッハ~♪ 皆、テンションアゲアゲで行くわよ~♪」  「陽の気を機体各所に回せ回せ~♪」  「いや、二人は少しくらい大人しくても良いと思うんだ?」  「お祖母ちゃんは仕方ないよ、ドンペリ十本空けてるし」  「お祖父ちゃんは、沖縄の古酒飲んでたよ」  酒気と陽気な龍宮大合神ブリッジ。  仙術と科学のハイブリッドな自分達のロボットの動力が陽の気である。  とはいえ、戦いの前から出来上がっているジンファとジンチャオに対してドラゴンシフター三号と立花が呆れていた。  「大会前にひと暴れだ、皆で行くぜ♪」  「「コンバット、ゴ~~~ッ♪」」  皆で雄叫びを上げて戦闘開始、他のヒーロー達も迫り来るロボット兵士達や怪獣を相手に戦いを繰り広げていた。  「さて、過保護は良くありませんが息子達の露払いと行きましょう」  「お前のそう言う甘さが出る所、大好きだよ♪」  「私、昂って来ました~~~っ♪」  「俺も暴走するぜ~っ!」  ドラゴンシフター達が理性のタガを外せば、龍宮大合神が巨大な光の龍へと変形して暴れ回り宇宙空間に敵の命を散らす花火を上げ捲る。  「よし、父ちゃん達が切り開いてくれたぶっこむぜ!」  「「応ぅっ!!」  マグナシャルルが突進し、敵の旗艦へと一騎打ちを挑みに行く。  「ギロチンピエール、地球とメタロココの平和の為にあなたを討つっ!」  「シャルルを故郷から追い出し、地球を荒らすお前らを許さねえ!」  敵艦から迎撃用の機動兵器や艦砲射撃が、マグナシャルルへと襲い来る。  敵艦からの砲撃は、ドロシーのタートルがシェルフィールドで防ぐ。  白兵戦を挑んで来た敵のロボット兵士には、こちらも白兵戦。  「噛みつきは狼に任せてっ! ウルフクラッシャーッ!」  マシュが動かすマグナウルフの牙が輝き、巨大なビームの牙が敵兵を噛み砕く。  「フェニックスも行くよ、バーニングキックッ!」  右足となったマグナフェニックスを操るのはカナメ。  宇宙空間を炎に包まれたマグナシャルルが、スライディングで突進する。  生半可なビームや実弾など物ともせず、敵機の爆散による花火のアートを描くマグナシャルル。  「皆さん、ありがとうございます! こんなに早く機会が得られました!」  思わぬほどに早い決戦に感極まるシャルル。  「いや、まだだ! 敵の頭を叩いてからが戦いが始まるんだ!」  「そうそう、まずはあの悪趣味なギロチンを粉砕しましてよ♪」  「シャルル君も大会出るんだから、そっちが本番だよ♪」  「夏休み、皆で海に行こう♪」  「花火大会もあるで~す♪」  金馬達がシャルルに語りかける、自分達にはまだまだやる事が沢山あるのだ。  敵の旗艦が変形し、巨大な人型ロボットの姿に変わる。  ギロチン台を兜にした銀色の四角い人型ロボ。  胴体や手足は洋風の宮殿の面影があった。  「シャルル、泣いて良い! お前が弔うんだ!」  「住んでた家を乗っ取られて魔改造って、ひどい!」  「センスの欠片もありませんわ!」  「成敗で~す!」  「僕達で終わらせよう」  「皆さん、行きましょう!」  マグナシャルルが真っ向から挑もうと動く。  七十メートル台のマグナシャルルの三倍ほどの敵。  「来たな、王族を擁護する地球の愚か者っ!」  敵の方から中年男性の声で通信が入る。  「うるせえ、革命がしたいなら自分の所だけでやれ!」  啖呵を切るのは金馬。  「ギロチンピエール、我が両親は王として落第でしたがあなたも指導者失格だ!」  シャルルも吠える、祖国にも地球にも敵は迷惑だ。  「ぐぬぬっ! 愚かな、貴様らもギロチンに掛けてくれる!」  言い返されて切れるギロチンピエールが、機体からビームを放つ。  敵にどんな事情があろうが、侵略された側の地球には関係ない。  金馬達ヒーローは、地球や宇宙の平和を守る為に戦うだけだ。  マグナシャルルは敵とのサイズ差を利用して、敵の攻撃を避けては反撃すると攻防を繰り広げつつ機会を狙う。  「おのれちょこまかと! 我が怨恨のビームを喰らえ!」  ギロチンピエールが両腕を突き出し、どす黒い墨の濁流の様なビームを放つ。  だが、マグナシャルルはその攻撃を避けず、無傷で受けきった。  「んなへなちょこビームが効くか! 行くぜ皆、レインボーフィニッシュだ!」  「「レインボーフィニッシュ!」」  金馬の言葉に、マグナシャルルの中で全員が叫ぶ。  マグナシャルルの機体が虹色に輝き出す。  マグナシャルルは、人型から巨大な光の龍に変形し大口を開けて突進した。  かくして、金馬達とメタロココとの戦いはひとまずの終幕を迎えたのであった。  巨大な虹の龍の咢に飲み込まれたギロチンピエール。  断末魔をあげる事も出来ず、輝く虹の中に消えて行った。  「これで、取り敢えずは片付いたのかな?」  カナメが呟く。  「まあ、細かい事はこれからだろうが地球へ帰ろうぜ♪」  金馬がカナメの呟きに答える。  「皆さん、ありがとうございました♪」  シャルルが仲間達に礼を言う。  「どういたしましてですわ♪」  「メタロココとの戦いは、一区切りで~す♪」  「悪の組織との初めての決戦、生き残れてよかった」  メープルやドロシーにマッシュ。  仲間達がそれぞれのコックピットで通信しながら笑い合う。  鋼鉄宮廷メタロココは、ヒーロー達の奮闘により壊滅した。  「事後処理は大人組の仕事ですね♪」  「ああ、金馬達には暫く学生生活を楽しんでもらわなきゃ♪」  龍宮大合神の中でドラゴンシフター達が息子の活躍を喜ぶ。  地球に戻った金馬達には、期末テストなど学生らしい戦いが待ち受けていた。  彼らの戦いはこれからも続いて行くが、それはまた別のお話。 ドラゴンシフター外伝:ドラゴンシフターユニバース 完
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