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彼女と僕の間に、子どもができた。
彼女は、ふわふわの綿毛の子どもを大切に包むように抱えた。
彼女は、子どもができたら、詐欺に騙されなくなったし、友達にお金も貸さなくなった。
彼女は、子どもが飛び出さないように黄色の服をはいて登校中の子ども達に安全に道を渡るように声掛けをした。
僕は、大切そうに子どもを抱える彼女に聞いた。
「どうして、無茶をしなくなったのかい?」
彼女は、無茶とはなんだと考え、今までの行動だと分かると申し訳なさそうな顔をした。
「今まで、ごめんなさいね。今までは、自分が後悔しないように生きてきたわ。でも、子どもができて、生まれたその子の顔を見ていたら、この子は私が守らなきゃと思ったのよ。」
と言った。
それと眉を下げて彼女が
「それに、怪我をしたときに毎回あなたが心配そうに今にも泣きそうなぐちゃぐちゃの顔で、病院に来てくれるじゃない?もうそれ見たら、もう少し自分を大切にしなきゃって思えたの。」
心配かけてごめんなさいね。とまた呟くと彼女は、ヒルガオ柄のおくるみをつけた子どもを優しく抱きしめる。
赤ちゃんを抱きしめている彼女を僕はそっと優しく抱きしめた
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