決めたんです

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決めたんです

「もう、あの方に尽くすのは限界なんです……」 炎のように赤く長い髪を垂れ流し、彼女は肩を震わせる。 運命の人と言われ、ずっと恋慕ってきたけれど他の女神や女にばかり甘言を言う彼に愛想は尽きた。友人のアフロディーテに相談するまでに心は悲鳴を上げていた。 「婚活したら?」 「する」 振り向かない相手を追うのはもう止めた。ヘラは涙をぬぐい、前を向く。
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