③とある別れた時の話2(ナオ編)

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入った途端、急な寂しさに襲われ、靴を脱ぐ暇もなく、 しゃがみ込み、号泣した。 今までの、ヨシタカさんとの思い出が、走馬灯のように思い出す。 それが、余計に悲しみを呼び、ますます、号泣してしまう。 いったい、どこまで泣き続けただろう。 嗚咽で、息が出来なくなり、それでようやく、意識を戻して、 靴を脱ぎ、部屋の中に入る。 そして、また、しばらく泣き続けた。 泣き疲れ、しばらく眠った後、 別れて良かったのかもしれない、と思い始めた。 それは、もしかしたら、ただの誤魔化しなのかもしれない。 ただ冷静に自分の心と向き合えば、 やっぱり、私は少し安堵しているようにも思える。 ヨシタカさんは、大企業のクロキ不動産の御曹司である。 もし、付き合って、結婚する事になれば、 ヨシタカさんを支え合うだけではなく、 大企業の責任も負って行かなければいけなくなる。 私の低能力では、そんな責任を負う事は、とても負うどころか、 急降下する気がした。 私は、普通の家で育ったため、有所ある家の仕来りも、知らないし、 そもそも、1つの事に、深掘りして、周りや、周辺の事など、全く見えなくなる。 もしかしたら、自分勝手な行動をとるかもしれない。 ハイスペックで、処理能力が早く、知識も豊富なヨシタカさんとは、 雲泥の差がある。 ヨシタカさんには、もっと相応しい人が、きっといるはずだと思った。 そう思えば、私と別れて正解だったのでは・・・と思う。
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