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入った途端、急な寂しさに襲われ、靴を脱ぐ暇もなく、
しゃがみ込み、号泣した。
今までの、ヨシタカさんとの思い出が、走馬灯のように思い出す。
それが、余計に悲しみを呼び、ますます、号泣してしまう。
いったい、どこまで泣き続けただろう。
嗚咽で、息が出来なくなり、それでようやく、意識を戻して、
靴を脱ぎ、部屋の中に入る。
そして、また、しばらく泣き続けた。
泣き疲れ、しばらく眠った後、
別れて良かったのかもしれない、と思い始めた。
それは、もしかしたら、ただの誤魔化しなのかもしれない。
ただ冷静に自分の心と向き合えば、
やっぱり、私は少し安堵しているようにも思える。
ヨシタカさんは、大企業のクロキ不動産の御曹司である。
もし、付き合って、結婚する事になれば、
ヨシタカさんを支え合うだけではなく、
大企業の責任も負って行かなければいけなくなる。
私の低能力では、そんな責任を負う事は、とても負うどころか、
急降下する気がした。
私は、普通の家で育ったため、有所ある家の仕来りも、知らないし、
そもそも、1つの事に、深掘りして、周りや、周辺の事など、全く見えなくなる。
もしかしたら、自分勝手な行動をとるかもしれない。
ハイスペックで、処理能力が早く、知識も豊富なヨシタカさんとは、
雲泥の差がある。
ヨシタカさんには、もっと相応しい人が、きっといるはずだと思った。
そう思えば、私と別れて正解だったのでは・・・と思う。
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