80人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
決して、ハヤトのことが嫌なわけではない。
十数年経って再会した彼は、見た目も中身も素晴らしい男になっていた。最も、私には幼い頃の記憶は薄っすらとしかないのだが……
申し分ない男に成長していると思った。
急に幼馴染だったと言われて、正直まだ頭が追いついていないのだ。
とりあえず私の頭の中では、幼い2人が遊んでいる光景を再現している。
でも、私は幼かったこともあり、やっぱりほとんど覚えていない。ただ、「ハヤト!」と呼んでいる記憶だけは思い出した。
今、目の前には、成長しイケメンになったハヤトが居る。何を断る理由があるのだろうか?
「ん! 食え、ピザ美味いぞ!」と勧めてくれた。
「あ、うん」
一切れ取って食べた。
「美味しい〜」
思わず笑顔になる。
「ミサは、笑ってる方が良いよ」と、サラッと名前を呼ばれて、ポーっとなった。
そういうハヤトの笑顔も最高だ!
そして……
「あの〜」
「ん?」
「良いよ」
「ん?」
「付き合っても! てか、付き合ってください!
よろしくお願いします」と向かいの席で頭を下げた。
「ハハッ、おお! よろしくな!」と、左手でピザを食べながら右手で頭をワシャワシャ撫でられた。
「ちょっと〜」
その突拍子もない行動に驚きながら、次は何をされるのだろうかという楽しみで、思わず笑みが溢れる。
最初のコメントを投稿しよう!