告白

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なんとなく、仲良くしていた男の子の記憶はあったが、まさか、それが水瀬さんだったなんて…… 同じ会社で再会するとは、夢にも思わなかった。 私は、昔の記憶を辿り、少しずつ思い出そうとしていた。 なのに、は、 「でさあ、さっきの話だけど……」 「ん? 何だっけ?」と、もう忘れていた。 「付き合う話」 「え? アレもその場凌ぎでしょう?」 「イヤ、俺は付き合っても良いかな〜と思ってるよ」 「え?」固まった。 「嫌か?」と又ジッと目を見つめながら言う。 「あ、嫌とかじゃなくて、まだ再会したばかりで、私のこと何も知らないでしょう? 私も知らないし……」 「え? お互いの真っ裸まで知ってるのに?」 「ブッ! それは、子どもの時の話でしょう?」 「まあな……」と私の胸元をジロジロ見ている。 「ちょっと! どこ見てるのよ!」 「成長したなと思って」 「そりゃあ、4歳からは成長したわよ」 「ハハッ、そりゃそうだな。良いじゃん、付き合うんだから見たって」 「まだ、付き合うとは言ってない!」 「え? 俺振られるの?」 「あ、いや……」自分でもよく分からなかった。 「ゆっくりで良いよ。もし気が向いたら、俺と付き合ってください!」 急に優しくなった。 でも正直驚いて、何がなんだか……私なんかで良いのだろうか? まず、それが一番の理由だった。 なのに、誰にでも優しい言い方で傷つけないようにするところは、この数日間、彼を見てて素晴らしいと思っていた。
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