今度は私が魔法をかける番

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「えっ、あ、いやそんなんじゃないよ」 「いいよいいよ、分かってたから。あの頃は少し傷ついたけどね」 「それは、ごめん」  目の前でなぜか繰り広げられる仲直り? 俺はどうやら邪魔者らしい。 「で、マリちゃんと海斗は本当に付き合ってないの?」 「付き合ってないって、マリに失礼だろ」 「付き合ってないよ、私たち対等じゃないもん」  マリの言葉にまた驚く。俺たち対等じゃない。  俺は、好きな気持ちもあったけど。マリとはいい友達だったと思っていたのに。ショックが顔に出ていたのか、アイカは目の前でケタケタ笑っている。 「やば、海斗分かりやすすぎじゃん。アラサーにもなってウブだね」 「なんだよ」 「マリちゃんも別に海斗のこと嫌いなわけじゃないんでしょ」 「うーん、そうだね」  続きを聞きたい、とはやる気持ちを抑えて水で唇を濡らした。声を出そうとした瞬間に幹事の声で、開会が告げられる。 「じゃあ、乾杯の音頭取ります。グラス回すから飲めるやつ取っててー! まずビール」
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