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Story1 出会い
それは12月だったんだ僕と君が出会ったのは。
大学に入学したての頃、僕は友達が全然居なかった。
高校の時いじめられたから、少し遠い大学を選んだんだ、
当時は不安や、またいじめられるのではと、怖くてあまり行けないでいたが
ふと、行ってみたい衝動に当然かられた。
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大学の前でやっぱりやめようと思い帰ろうと思っていたとき
突然声をかけられた。
「あれれ〜?水多君じゃない〜?」
ーえっと、誰だこの人。
「あれやっぱり覚えてないでしょ〜?一応、同級生なんだけどな〜?」
ーイヤ本当にわからん。
「本当にごめんなさい。僕、入学以来、来てなくて…」
「あははっ!いいよ〜?じゃあまず自己紹介だね〜!
まつおか はるか
私の名前は 松岡 晴華!よろしく〜?」
「はい。よろしくですが…あの…松岡さん?こんな僕に話しかけるなんて、とても嬉しいんですけど、一応いま12時なので遅刻のはずでは…?それか午後登校とか…?」
「えっ?ほんとに?私の時計では八時のはずなんだけど…」
松岡さんは腕につけられてある時計をゆっくりとみると、
「あっ……まぁいいや!そのおかげで水多君に会えたし!
こうやって話す事もできたもんね〜?
結果オーライ、それでいいのだ〜ってね〜?」
君はニカッと眩しいくらいの笑顔で僕の方を向いた。
冬で寒いのに心が暖かくゆっくりと溶けていく感じがして
すごい人だと思ったんだ、
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とりあえず、二人で大学に入ったが、もし、またいじめてくる人が居たら?あまり大学に来ていないから、白い目で見られたら?そう考えると足が、手が、声が震える
僕はその場で立ち止まってしまった。
「んっ?どうしたの…ってえっ?大丈夫?お腹痛い?立ちくらみ?保険室?
あっ救急車か!いやその前に水多君がぁぁぁっ!」
「だ、大丈夫ですからッ‼昔のトラウマがちらついただけで…」
「えぇぇぇ!そんな、そんなどうしよっ!えっとえっと…あっ!」
突然大きな声を出したと思ったら体全体が暖かいものに包まれた。
「大丈夫。私が付いてるよ?ほら、こうやってギューってすれば何事も安心できるから。」
僕は自然と涙が出ていた。こんなにも心が暖かくなるのを初めて知ったんだ。
このときからもう僕は彼女に恋をしていたのだろう。
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