霊視の怪しい日々

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「検挙してと言われても・・・」 山田が頭を掻きながら呟いた。 「言い方が間違っていたわ。あたし自動車事故に7年前に遭ってから記憶喪失になったの。身寄りが誰もいないので、わたしの以前の職業は。もしかしたら?」 「もしかしたら?」 「007かなって」 「麗視さんって冗談言うんだ」 「わたしマスクで目を塞ぐと拳銃の弾でもスローになるんだ。そして右斜め上からの視点で100メートル四方が見渡せるのよ」 「凄い!凄い!」     「俺達、高校の同級生なんだ。こいつが鈴木、そして田仲。俺だけ独身」 「みんな警察なの?」 「山田だけや、俺達しがないリーマンよ」 鈴木が右手をクルクル回しながら呟いた。
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