魔王城は本日も平和です。

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*カイネ視点 「馬鹿……っ、シンの馬鹿……っ!」  行き場のない感情を、布団に頭を突っ込んだまま何度も叫んだ。  そして、すぐに感情の波は引いていき、もの寂しさだけが訪れる。  ――好きだったやつが異世界で魔王軍の四天王になってました、なんてそんな漫画みたいな展開あるのか。  ずっと、深夜のことが放っておけなかった。  気がついたらふらっと消え、それなのに俺が一人でいるとふらっと戻ってきては隣に寄り添ってくれる。  そんな気まぐれな幼馴染の存在に今まで何度も救われてきた。だから俺も少しは深夜に返したかった――それだけなのに。  年々深夜にうざがられてる自覚はあったし、けどどんどん成長して大人びていく深夜の顔を見てたら頭が真っ白になって、どんな風に接していいのか分からなくなってしまうのだ。  一番馬鹿なのは自分だと分かってた。  おまけに、あいつを追ってトラックに飛び込むなんて。  この世界に来てから散々な目にあったが、それでもようやく深夜と会えただけでも嬉しかったのにまたこうして一緒にいられると分かって浮かれていたのは確かだ。言い逃れはできねえ。  ……だって仕方ねーじゃん、あいつのことが好きなんだもん。 「…………はあ」  ぱた、とベッドに横たわったまま転がる。深夜の部屋にあるクソでかいベッドよりは慎ましいが、それでも十分いい部屋だった。  深夜は他のやつらと仲良くなれというが、深夜以外のやつは正真正銘の魔族だ。  俺が目覚めた里では、魔族は凶暴で狡猾で残虐なやつらだと散々教え込まれてきた。  おまけに、この世の魔族を滑る魔王の手下である連中だ。  そんなやつらと仲良くなれだなんて、できるわけない。  それに、と思い出したくもない記憶が過る。  ようやくこの魔王城に辿り着いたとき、忍び込もうとしていたところを見つけたあのチャイナ服の鬼。  ――あの鬼とは特に。  ……やめよう、気分悪くなる。  そう枕に顔を埋めたときだった。部屋の扉が叩かれ、体が跳ね上がる。  咄嗟に身を隠そうとベッドから離れ、扉の影に張り付いた。と、同時に目の前の扉が開いた。 「あれ? おっかしいな、ルーナからここだって聞いたんだけど」  聞こえてきた息を飲む。  現れたのは黒いチャイナ服似身を包んだあの男だ。何故ここに、と血の気が引くのもつかの間、「なーんて」とズハオがこちらを振り返った。そして、 「っ、は、離せ! この……ッ!」 「はは、相変わらず雑魚いな~。隠匿スキルが低すぎるよ、忍者ちゃん」  伸びてきた手に腕を掴まれる。暗器を構える暇はあったはずなのに、それを手にする時間は与えられなかった。 「それに、“今は”俺たちは仲間なんだろ? そんなものを持ち出したら謀反だって公開処刑されるぞ。せっかくのルーナの優しさを無碍にするなよ、人間」 「お前があいつのことを語るな……っ、この……」 「おーおー、随分とルーナに惚れ込んでるみたいだな」  揶揄するように笑うズハオ。そのまま乱暴に顎を掴まれ、息を飲んだ。 「っ、んぐ」 「ルーナには言ったのか? 俺に捕まってなにをされたかって」 「……ッ!」  伸びてきた片方の手に尻を揉まれ、ぎょっとする。  低く囁くような声に、思い出したくもない記憶が蘇るのだ。  この男に侵入者として罠に嵌められ、牢へと連れてこられたときのことを。 「っ、だ、まれ……この……っ、んん……っ!」  瞬間。そのままぐに、と尻の谷間の奥――衣類越しに肛門を押し上げられ背筋が震えた。 「流石に言ってねえか。ルーナのやつ、俺に普通にお前の部屋教えてくれたもんな」 「っ、は、なせ……っ、この、ぉ……っ」 「ルーナ、お前が魔王城に馴染めないの心配してたぞ。……少しは自分以外のやつらと仲良くしてほしいんだろ」  尖った爪はそのままずぶ、と着ていた服の肛門の部分を突き破り、そのまま中へとねじ込まれる。 「やめろっ」と声が漏れる。異物感と苦痛、そして蘇る屈辱に顔面が熱くなった。 「相変わらずのじゃじゃ馬っぷりだな、カイネ」 「テメェが、名前を呼ぶな……ッ」 「おいおい。わかってんのか? これから俺たちは仲間になるんだ。歓迎するぞ、カイネ」 「ぅ゛、ひ」  べろ、と長い舌に耳を舐められる。耳朶の凹凸をなぞり、そのまま耳の穴まで入ってくる舌に全身が粟立った。 「っざけんな、誰が、お前な゛……ッ、ん、かと……ッ」  必死に逃げようと藻掻いた矢先、顎を掴まれる。ズハオに見つめられるのも数秒、視界が影に覆われた。  なにを、と言いかける暇もなく奪われる唇に、ショックのあまり頭の中が真っ白になった。 「っ、ふ、ぅ……ッ、ん゛ーッ!」  ズハオの胸を叩き、必死に突き飛ばそうとするが、やつの腕にしっかりと抱かれた体は思うように動けない。それどころか、長く肉厚な舌で咥内を荒らされ、体から力が抜けそうになったところを「おっと」とズハオに抱き止められた。  ――最悪だ、一度目ならまだしも、二度目までもこんなやつに……!  咄嗟に唇を拭うが、あまりの屈辱で言葉が出てこなかった。 「泣くほどこれが好きだったか? カイネ」 「っ、く、そ……っ、クソ野郎……ッ」 「もしかして、あっちではルーナとはまだ『こういうこと』はしたことなかったのか」 「……っ、だまれ、この……んん゛ッ!」  再び唇を塞がれ、今度は先程よりも長く、執拗に舌を絡め取られる。巻き付くように舌の根本から先端までを愛撫し、熱い唾液を咥内へと舌伝いに流し込まれた。  ケツの穴を指で悪戯にかき回されながら、長く硬い指が奥まで入ってくるのを受け入れることしかできなかった。  この鬼の目的は、最初から侵入者という名の捕虜を弄ぶことだった。  魔王城の噂はここに来るまでにいたる所で聞いていた。昔は片っ端から門に入るまでに嬲り殺されていたという恐ろしい話を。  けれどそれも数百年も前の間だ。完全に魔王がこの世界を乗っ取ってからというものの、主に上層の魔王軍は大人しくなったと。  腑抜けた連中の隙きをかい潜ってルーナを助け出そうと思ったが、実際はどうだ。  大人しくなったというよりも、実際はただの殺戮行為に飽きているだけだ。  暇潰しとばかりにありと汎ゆる罠に嵌められ、鼠のようにこの男に捕まった日散々な目に会わされた。  殺されることも命を脅かすようなことをされたわけではなかったが、死なない程度の麻痺毒を塗られたまま、触手の穴に落とされ一晩閉じ込められた。その後、『本気でルーナに会いたいんだったらこれくらい我慢できるよな?』と軽薄に笑う鬼に犯され、イク度に電気を流され、悪趣味な遊びに付き合わされる。  それでも意識を保ったまま意地でも耐え抜いた俺に、この男はようやくルーナと会わせてくれることを約束したのだ。 「カイネ、お前はいい体をしてる。人間のくせに簡単に壊れないなんてな。これで適応種なら、さっさと俺の子を産んでもらいたかったんだがな」 「……っ、ん、だ、だれが……ッ」 「そんなに嫌がるな。俺は本気でお前のことを気に入ってるんだよ。ここ数百年、あの触手穴に落ちても発狂せず一晩過ごせた人間なんていなかったからな」 「はっ、ぅ、へ、んたい……っ、やろ……っぉ゛……ッ」  軽々と持ち上げられた体をオナホかなにかのように掴まれたまま、散々指で慣らされたケツの穴に腫れ上がった亀頭を押し付けられる。夥しい量の先走りで濡れた先っぽで盛り上がった肛門をぬちぬちと押し上げられれば、それだけで電流が流されたみたいに背筋がぶるりと震えた。  初めてこの男に犯されたときのことを嫌でも思い出す。この男は、俺の言葉になど耳を傾けなかった。どうせ壊れると思ってたからだ。  けれど、こいつの言う通り今はあのときとは違った。――俺はルーナのものだ。  それなのに、こいつは。 「俺が変態? そんなこといったら、ここでやってけないぞ、カイネ」 「っだ、まれ、誰がお前なんかと……っぉ゛……っ」 「ほら、いい加減心を開け。我らがルーナ様もそれを望んでる」 「あいつの名前を出すな……ッ、――!」  そう、咄嗟に声を上げたときだった。膝の裏を片手で抱いたまま、ズハオはそのまま俺の腰を落とした。  瞬間、宛がわれていた拳ほどの大きな亀頭がぐぷ、と音を立てて直腸へと飲み込まれていく。   「ッ、ぐひ、ん゛んんぅ゛う゛~~……ッ!!」 「カイネ、逃げんなって。ルーナとずっと一緒にいたいんだろ? なら、これくらい我慢しねえと、なっ!」 「ん゛ぎ、ッ、ぐ……ッ!」  腹の中、内側から無理矢理形を変えるように押し広げてくるズハオの性器に呼吸すらままならなかった。熱した鉄の塊でもケツの穴に突っ込まれてるような圧迫感に耐えきれず目の前の男の体にしがみつけば、腹の中のズハオのものは更に硬くなっていく。  許容量なんてとっくに超えていた。出入りする亀頭のエラで中を執拗に引っかかれ、奥を突き上げられる。  何度も腰を持ち上げ、ずるりと引き抜かれたと思いきやそのまま一気に突き落とされ、突き当りを乱暴に突き上げられた瞬間頭の中が真っ白になった。 「は、ァ゛――ッ」 「っ、カイネ……そんなに締め付けんなよ、もうイク度電気流したりしねえからさ、これは仲良くやろうなっていう挨拶みてーなもんだろ? ……なあ、カイネ」 「っぢ、が、ッ、こんな゛の゛……ッ! ぉ゛……ッ!」 「違わねえだろ、人間風情を同等の扱いしてやってんだろうがこっちは。なあ、『ありがとうございます』だろうが……ッ!」 「ん゛ッ、ぅ゛、ふ……ッ!!」  肉が潰れる音が自分の腹の中から聞こえてくる。奥をゴツゴツと性器で殴られる度にあのとき流された電気と同じくらいの強い刺激が走った。  武装した体を殴られるのとは訳が違う。剥き身で無防備のそこを何度も執拗に犯され耐えうる方法など、俺は知らない。  唇を噛み、深夜の顔をひたすら思い出して耐えた――あのときと同じように。  魔族は飽き性だというのは予め知ってた、耐えれば波は引くものだと。だから。  ――瞬間、ごりゅ、と前立腺を押し上げる性器に目の前が真っ白になる。腹の筋の下、ぽっかりと性器の形を浮かべる腹を見たと同時に血の気が引いていく。 「ぉ゛ッ! ……~~っ! ぅ゛、ぐ、ぅう……ッ!」 「はー……っ、カイネ……お前体だけはいいんだからもっと愛嬌を覚えろよ。その方が、ルーナにも愛されんぞ。あいつは簡単に股を開くような淫乱な人間のが好きだぞ」 「っ、ぁ゛、ちが、っあいつは、そんなんじゃな゛、ッぁ゛ぐ……っ!」 「違わなくねえよ、余計な操立てなんてやめとけ。せっかくこんな体持ってんだから、なあっ?」 「ィ゛、ひ……ッ!」 「……っ、はー……そーそー、そうやってでけえケツ締めんだよ。ケツ穴での奉仕のやり方、その体で学んでけよ。四天王様々に失礼がないよう、俺がしっかり教えてやっからさ」  呼吸をする暇もなかった。硬い筋肉で覆われた腕にホールドされたまま、やつの性器を扱くための玩具のように何度も何度も体を下ろされる。腹が、壊れる。内臓がグチャグチャになってんじゃないかと思うほどの衝撃にただ自分の意識がまだあることに驚いた。  想像していた好きなやつと両思いになって迎える初夜なんかとはよっぽどかけ離れた、あまりにも独善的な行為だった。  それなのに、犯されてる内に感覚器官が馬鹿になってしまったのだろう。腹を押さえつけられたまま膀胱と前立腺を性器で摩擦される都度馬鹿みたいに性器からは汁が溢れた。 「っ、は、ぁ……っ、あ゛ッ、ん゛ッ、ぅ゛……ッ! ひ、ぐ……ッ!」 「カイネ……っ、もっと媚びてみろよ、そうしたらちょっとは優しくしてやるよ」 「っ、だ、れが……ッ、ぁ゛……っ、ひ、ぅ゛……ッ!!」 「相変わらず強情なやつ、……っ、けど、悪かねえ」 「――お望み通りこのまま俺の肉壺として可愛がってやるよ、カイネ」そう、ズハオの性器を根本まで一気にねじ込まれたと同時に頭の中が真っ白になった。 「っ、ひ、っぃ゛ん゛ん゛……ッ!」  じんわりと亀頭に熱が集まったと思ったのもつかの間、クチを開いた尿道口からちょろろろと噴き出す尿が部屋の中に撒き散らされる。ひくりと鼻を鳴らしたズハオは興奮したように人の体を抱き締め、そして、次の瞬間腹の奥の奥、直腸にそのまま注がれるどろりとした大量の精液に文字通り溺れそうになった。 「っ、ふ、ぅ゛、ん゛ん~~……っ!」  どく、どく、と腹の中、無理矢理納められた内壁全体にズハオの鼓動が、熱が、直接伝わってくる。  ズハオの大量の精液により重たくなっていく下半身。人が呼吸を整えるのを待つわけでもなく、ズハオはそのまま緩急つけて腰を動かし始めるのだ。  ぶぴ、ごぷ、と汚い音を立てて無理矢理広げられた肛門の隙間から精液が溢れる。グチャグチャに精液ごと掻き混ぜられ、腹の中、粘膜に塗り込まれるズハオの精液に頭が真っ白になった。 「っ、ま゛ッ、まへ、まだ、ッ」 「大丈夫大丈夫、お前だってまだ平気そーじゃん。ほら、中、もう俺のに絡みついてくる」 「ん゛、ぅ゛……ッ!!」 「そのまま……っ、しっかりしゃぶるんだよ。カイネ」  そう背後で笑う男に、目の前が真っ暗になっていく。  ――シン、深夜、助けてくれ。  そう今すぐにでも縋り付きたい気持ちの反面、こんなところをあいつに見られたくないという恐怖心で思考はどんどん狭まっていくのだった。  ――それから、どれほどの時間が経過しただろうか。  もしかしたら俺が顔を出さないことを不安に思った深夜が俺の部屋にやってきて助けてくれるかもしれない――なんて淡い考えはすぐに打ち消された。  ベッドの上、身に着けていた服を寛げ、胡座を掻いて座るズハオを前に、犬のように四つん這いになってやつの股座に顔を突っ込む俺がいた。  つい先程まで何度も俺を犯した凶器にも等しいサイズの性器に舌を這わせ、煙管を手にしたズハオは「そうそう、ちゃんと綺麗にするんだぞ」と変わらぬ人良さそうな顔をしたまま俺を見下ろしていた。 「っ、ふ、ぅ゛え゛……ッん゛、ぐ……ッ」  舌の上でドクドクと脈打つそれは一種の化け物だ。太い血管をまとわりつかせたグロテスクな肉の塊をなるべく意識しないよう、口で呼吸しながら舌と唇を使って愛撫していく。  他人の、それもこんな化け物のチンポをしゃぶって喜ぶ性癖なんてないはずなのに。部屋の中が曇るほどの煙管の甘い煙の薫りとねっとりと全身にまとわりつく精液の匂いに時間かけて満たされていった頭では正常な判断ができなかった。  今、俺が出来るのは完全に麻痺してしまう前にさっさとこの男を満足させることだった。  深夜、深夜、と頭の中であいつの顔を思い浮かべながら、あいつのものだと思って必死に性器にまとわりつく精液を舐めとっていく。 「っ、ん、ぅ゛……っ?!」  そんなとき、いきなり伸びてきた手に後頭部を撫でられ、背筋が震えた。視線を上げれば、こちらをじっと見下ろしていたズハオは「その調子」と微笑む。  無理矢理しゃぶらされるのかと身構えていたが、やつにとっては煙管を味わうことの方が優先事項のようだ。痙攣する性器から睾丸にまで落ちた精液を舐め取り、そのまま押し付けられた頬の上でびく、と跳ねる性器に舌を伸ばす。 「……っ、ふ、ぅ゛ぶ……っ」 「それにしても……随分と大人しくなったな、カイネ。それがいい、せっかくルーナのお気に入りなんだから、あいつのためにも長生きしてやれよ」 「……っ、ぅ゛、ぐ……ッ」  余計なお世話だ、とやつを睨みつければ、「はは」と口を開けて笑ったズハオはそのまま俺の顎を捉え、そして戯れに唇に吸い付く。  自分の精子が残ってようがお構いなく、ぢゅぷ、と濡れた音を立てて深く貪られる唇に、手の中で持て余していた性器がピクピクと痙攣した。 「っふ、……っは、……っ」  長いキスの末、ようやく唇が離れたと思えば、ズハオはそのまま俺の髪に指を絡め、するりと手櫛をする。なんのつもりだ、とズハオを睨めば、「気が変わった」とやつは目を細めた。そして、俺の鼻をそのままきゅっと掴むのだ。 「な、ん――……んぶ……ッ!!」  つい開いた唇に押し当てられるズハオの亀頭。それはそのまま強引に唇を割り開き、ずるりと無理矢理顎ごとこじ開けるように喉の上、舌を滑って一気にねじ込まれるのだ。  鼻呼吸を止めて耐えていた匂いも直接粘膜に染み込み、逃れられない。ごぽ、と呻く俺を見下ろしたまま、ズハオはそのまま喉の締付けを楽しむように俺の頭を掴んだまま腰を打ち付けるのだ。 「っ、ん゛、ぉ゛え゛……ッ! ん゛ぶ」 「……っ、はー……ルーナにも見せてやりてえな、お前のしゃぶってるときの情けねえ顔」 「ぅ゛、え゛ぶ」 「……っ、たまんねえわ、また上がってきた……っ、ほら、しっかり飲めよ。お前のために出すんだからな、カイネ」 「ふ、ぅ゛~~……っ!」  やつの股間に頭を押し付けられたまま、先程よりも更にガチガチに勃起した性器に喉をこじ開けられ、唾液とカウパーが混ざったものを塗り込まれる。鼻で呼吸することも出来ないまま、いっぱいになる口の中、藻掻くように呼吸を繰り返した次の瞬間、舌の上でズハオの性器が大きく跳ね上がった。  同時に喉の奥目掛けて放出されるねっとりとした濃い性器に眼球の奥、じんわりと熱が広がった。何度射精をしても衰えないズハオのもの。受け止め方がわからず、まともにそれを喉に流し込まれた俺はずるりと口の中のそれを引き抜かれると同時に咽返る。  吐き出そうとしても、喉に張り付いた粘り気のあるそれは出てこない。それどころか、変な器官に入ってしまい鼻から溢れる精液に顔面が痛みで引きつる。  えずく俺の顔面、頬にべちんと性器を乗せたズハオはそのまま俺の顔面に向けて、残っていた精液をぶっかけていくのだ。額から頬、垂れる精液を更に塗り込むように性器で伸ばされ、俺はそれを拒む気力もなかった。  逃れられないほどの雄の匂いと、萎えるどころか更に大きくなってるズハオの性器にただ気が遠くなると同時に、ぽっかりと開いたままの肛門の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。 「いい顔だ、カイネ」  落ちてくるズハオの声。目の前の性器越しにこちらを見下ろすズハオが笑ってるのを見て、「うるせえよ」と心の中で去勢を張るのが精一杯だった。
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