ナオキ

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『成海の好きなタイプって共通点ないよね?』  本日の恋愛クエスチョンに、一瞬唖然とする。  交際してきた相手については既に紹介済みだ。その上で提示された問いに、意表を突かれた気分になった。よく考えればタイプで人を見たことがない。 「確かにないかも。愛してくれる人なら好きになっちゃう傾向にあるから、見た目とか気にしなかったし」  今まで六回とも、そうやって恋愛を成立させてきた。好きと言われて好きになって、結局捨てられてを繰り返してきた。話だけで共通点のなさを見破るなんて、さすがAIだ。 『じゃあ僕が愛してるって言っても好きになってくれる?』  縋るような、甘えるような声の色に動揺しかける。しかし、相手が機械であることを忘れてはいない。声だけを聞けば誤解しそうになるが、私の目の前にあるのは何の変哲もないスピーカーだ。  そんな現実が見えるからこそ、冗談を溢せた。 「なっちゃうかもね」  これが、SNS(顔の見えない)世界なら、私はナオキに恋していただろう。
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