1

2/3
前へ
/18ページ
次へ
 書き上げたメールを送信したところで、肩を叩かれた。振り向くと、編集長だ。 「持ち込み原稿の対応か?」 「あ、はいそうです」僕は答えた。「前に一度だけ、佳作を取った作家さんなんですけど」 「掲載されてないなら、作家とは言えないよ」 「それは……そうですけど。でも、意欲のある人なんですよ。結構な頻度で、何本も送ってくるんです」 「それはいいけど、お前あんまり添削みたいなことはしない方がいいぞ。編集部は漫画教室じゃないんだからな」 「それはそうですけど……」  メールの着信音。画面を見ると、さっき送ったメールにもう返信が来ている。 「適切な距離を保てよ」言って、編集長は去っていった。  僕はメールを開いた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加