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 半年後。  その日の僕は朝からクソ忙しくて、メールに気づいたのは夕方だった。差出人の名前を見て、思わず溜め息が出た。もうずいぶん前に届いていた持ち込み原稿を何もせずうっちゃっていたことへの罪悪感と、それを上回る面倒臭さが僕を捉えた。  キタガワトウリから、持ち込み原稿への返事を催促するメールだった。低姿勢な文面だったが、期限を切って返事を要求する態度に僕はカチンと来た。それで、勢い任せにメールを打って送信した。こんなメールだ。
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