序章 「ようこそ、最高で最低な一日」

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 そんなこんなあって昼休みが終わり、授業の開始の合図と共に美咲とエリザベスが教室に戻ってきた。美咲はなぜかぼくをにらみつける。  「かわいいね」  「は」  「美咲には言ってないよ」  「言ったじゃん。きっもー」  「なんで自分が言われたと思ってんだよ。嫌だよなー。モテてるって思ってる女ってさー」  「こんなバカとは一生、口聞いてやんない」  「いつもお前から来てるんだろ。ぼくのこと好きなんだー」  「きっもー」  そんなやりとりを面白そうに見てくる調子の良さそうなヤンキー生徒、ぼくに殺意を寄せてくる美咲のファン達(女性多め)、それを席でただ傍観しているエリザベス、「席へつきなさい」と冷静にたしなめる先生、それを受けぼくの隣机に座る美咲、そんな日常に溶け込むぼくの心よ。
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