序章 「ようこそ、最高で最低な一日」

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 ぼくは串刺しにされて焼き鳥みたいになることはなかったみたいだ。目が覚めると、部屋に寝かされていた。何がどうなっているのかさっぱりだ。エリザベスの家の前で彼女を待っていたら、彼女の親父らしき人にいきなりドロップキックをされ気絶してしまった。  ロバート山本の「なんだーっ」どころじゃないくらい意味が分からない。  この気持ちはなんだろう。  谷川俊太郎さんの「春に」みたいな気持ちになる。怒りとか憎しみの入る隙がないくらいに戸惑っていることはたしかだ。  これが不条理というものか。  重い体を無理やり起こした。背中の方がすごく痛い。コンクリートにおもいっきり背中から突っ込んだみたいだ。それ以上に頭が痛い。角材でおもいっきり殴られたような痛みだ。  
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