序章 「ようこそ、最高で最低な一日」

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 むかしむかしあるところに、、、え?どれぐらいむかしなの?って訊かれたら返答にこまるぐらいむかしに、仁というイケメンが住んでいました。福のある丘に住んでいました。福岡ではありません。、、、えっとふざけすぎてしまいました。ふざけ杉田玄白です。  「きゃははぁー」  ぼくの書いた小説「バナナうーうーうー」の冒頭に対して、主人公に瞬殺される下衆な雑魚敵みたいな声をあげる美咲。彼女はクラスのムードメーカー。いわゆる陽キャ。ぼくの敵だ。彼女はなぜかぼくをバカにしてくる。それって、ぼくに興味があるだけじゃないのー。  「ねぇ、見てみてぇ」  彼女が隣机の女性に「バナナうーうーうー」を渡すと隣机の女性がペラペラとめくり始めた。ぼくの方がバナナにもうーうーうーにもなりたい気分になる。ぼくがあまりにも間抜け面でその様子を見ていたので、美咲がケラケラと笑う。  おろろ。バレちまったか。  「もしかして私の事好きなのー?キモいんだけどぉ」  ぼくは無言で彼女を見つめる。正解は沈黙だ。クラピカが言っていた(知らんけど)。  「こんなやつほっときましょ。行くわよ、エリザベス」  美咲の後をついていくエリザベスに笑顔を向けた。今日もかわいい!大好き!ぼくのエリザベス(付き合いたい)!
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