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「もう一度だけ訊く。――お前が銃弾に倒れ、彼女がお前を忘れることが代償でも、か?」
俺は無言を貫く。
構わない。――俺が全てを覚えているのなら。
神は大きなため息をつくと、枝から飛び立った。
「た、大変だあ、アメリ姫ー!」
俺は踵を返し、猟銃を携えて歩み寄ってきた男たちに向き直った。
誰に何と言われようと構わない。
例え何度引き裂かれても、俺は君を愛すだろう――アメリ。
牙を剥き出して唸り声を上げる。男たちが怯んだ一瞬の隙をついて、俺は地を蹴って飛びかかった。
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