13. (Last Episode)未来への前進

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「訂正しなくていいよ」 「そ、そうか」 ホッとした顔もかわいい。すると志艶が再びじっとこちらを見つめる。 「先ほど『キスが好きなのか』と聞いただろう?」 「……うん」 「それはちょっと違う」 「違うの? じゃあ嫌い?」 「それはだいぶ違う」 「え?」 「俺は……蓮香とするキスが好きだ。ほかのはどうでもいい」 ……うわ。この人、急に男っぽい顔して、私の心臓を根こそぎ奪うつもりかな。でもいい。奪われたい。志艶になら全部奪われたい。そして……私も全部奪いたい。 蓮香は志艶のジャケットの胸元を掴むと、背伸びをして志艶の唇に自分の唇を重ねた。 「私も好きだよ。志艶のことも……志艶とするキスも。志艶だけがいい」 そう伝えたら、眉根を寄せた志艶に頭と頬を押さえられて間近で告げられた。 「そういうことをするから止まれなくなるんだ」 何が? なんて聞く間もなく唇を奪われて…… 開幕第2戦はただのキスじゃなくて―― 「んっ……志……艶……っ」 唇を食べるみたいなキスに驚いて、思わず声を上げた。 「何? 嫌ならやめる」 「……嫌じゃない……けど……」 「けど?」 「ど……どうしたらいい?」 「ん? いいよ。最初は……されるがままで」 されるがまま唇をカプッと()まれてペロリと舐められた。 ニヤリと笑う志艶は妙に色っぽく見えて……この人、初心なんだか慣れてるんだかよくわかんないな。 それにしてもびっくりした~。 なんか気持ちよくて恥ずかしかった……。
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