スナオニアラズ

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「それじゃ、これからもよろしく」  失敗したな、気付くのが遅かった。  高校一年の春、なんとなく出来た友だちの輪のなかに妙な連中がいるのに気付いてはいたけれども。僕も僕で正直浮かれていたとしか言いようがない。そんな連中もまた新しく出来た友だちだと思っていたのだ。  だから『購買に行くならついでに頼みたい』とか『ちょっとパン代を貸して欲しい』といったを軽い気持ちで聞き続けてしまった。  挙句がこのザマだ。  彼らはもう僕になにかを頼むのに微塵の躊躇いも無いし、借りを作ったところで返そうと考えもしないだろう。  僕は連中からよろしくされるだけの存在になってしまった。
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