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「おい不二、焼きそばパン五つよろしくな」
昼休みに入った直後、連中のリーダーが僕にそう告げた。
早くもクラスメイトのみんなが心配そうに僕を見ている。
あるいは関わりたくないとばかりに僕から目を逸らしている。
困った話だけれども、これからの三年間をこうやってよろしく過ごしていくのは、あまり楽しくなさそうだ。
「ああうん、わかったよ」
僕はにこやかに答えて購買へ行き、焼きそばパンをひとつだけ買ってそれを体育館の犬走りの大きな庇の下で頬張ってゆっくり休んだあと、午後の授業限界ギリギリの時間に教室へと戻った。
いやあ、うん。さすがに僕も驚いたよ。
彼らはなんと、僕が戻って来るのを昼休み一杯教室で馬鹿正直に待っていたのだ。もの凄い険悪な空気を発しまくってるけれども今から授業なのでなんともしようがない。授業中もちらちらと憎しみの籠った視線を向けて来た彼らに対して、目が合うたびに笑いをこらえるような表情を浮かべて煽っておく。
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