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「エルザ!」
リンは、猫の名を呼びましたが、エルザはアーロンを畏れ、家の外へ逃げ出してしまいました。
「なんてことを…!
あの猫は、私の大切な猫なのに…」
「猫なら、あんな薄汚いものではなく、私がもっと美しい猫をやろう。」
「馬鹿なことをおっしゃらないで!
エルザじゃないとだめなんです!」
リンは、今にも泣きだしそうな顔で訴えます。
「なぜなのだ?あのように汚い猫等、どうでも良いではないか。」
「どうでも良いですって?
……帰って!もう帰って下さい!あなたの顔なんて見たくない!」
リンの怒りは相当なものでした。
それに、顔も見たくない!なんてことを言われたのは初めてのことです。
アーロンは激しいショックを受け、打ちひしがれてリンの家を後にしました。
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