生まれガチャに胡座をかく人に鉄槌を

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 罪人は、体力の無い者から動かなくなった。つまり、「より長い期間、血税を浪費していた人間」から動かなくなった。すると、徐々に動ける罪人の数は減り、それに応じて食料は減らされた。この頃には、罪人達は狂った様に暴言を吐き続けるようになった。  しかし、その暴言は誰の心にも響かなかった。納税する為に様々な費用を削ってきた国民が、罪人達に同情する理由は何も無かった。否、そう言った搾取をされ続けた者達が、動画を視聴し続けていた。  罪人達の動きが減るにつれ、視聴率は下がった。そして、人工知能は視聴率の低下した動画の配信を終了することを決定した。  動画の配信は終了しても、罪人達の裁きが終わるまで断罪は続いた。人の目の無い空間で、罪人達は餓えに苦しみ抜いた。それでも、罪人達の口から、犯した罪に対する「心からの謝罪」が出ることは無かった。そうして、人工知能は罪人達から人間の醜さについて新たなデータを得た。そのデータを有効活用する為、人工知能JCNの開発者は更なる教育を試みる。
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