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「銀ちゃんが空を飛べないのは、高い所が怖いから。でも、それだけじゃなくて、臆病者だからね。」
「臆病じゃない。」
「じゃあ、ここより1メートル高い所から挑戦してみてよ。」
「……」
桃ちゃんはイジワルだ。
高い所が怖いって言ってるのに、高い所から飛べって言う。
「じゃあ、桃ちゃんから練習すればいいじゃないか。」
「……」
「自分だって飛べないくせに。」
ぼくが言うと、桃ちゃんにホッペをギュっとつねられた。
「いたっ!」
「私帰る。」
「えっ!?どうして?」
「銀ちゃんが優しくないから。」
「イジワルなのは桃ちゃんじゃないか。」
また桃ちゃんがプイっとそっぽ向いてしまった。
「『自分だって飛べないくせに』じゃなくて、『桃だけ飛べない』でしょ。銀ちゃんは飛べるのに、『飛べない』って言うのはズルい!」
ぼくはイジワルな事を言ってしまった。
「ごめんなさい。怒らないでよ、一緒に練習しよう。」
「……一緒に練習してやらなくもない。」
む、ぼくのまねっ子だ。
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