純愛→

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これは彼との純粋な愛のお話。

今日もいつも通り彼の家の片付けをした。
合鍵で彼の家に入ると、一番に洗濯物のチェック。すぐに溜めちゃうのが彼のクセなんだよね。
3日分の洗濯物を片付けたら、次は部屋の掃除。ハンディ掃除機で埃や髪の毛を吸って綺麗にする。彼の家には掃除機は置いてないから、毎回持ってくるのが大変。
最後にお風呂の掃除。隅々まで綺麗にして、いつでもお湯を張れるような状態にしたら、完了。
10時くらいに来たのに、もう13時になってる。外に干してた洗濯物を取り込んで、クローゼットにしまったら、今日はもうバイトに行かないと。
なんだか最近は、お互い仕事が忙しくて会えない日が多いから寂しい。頑張ってる彼に、疲れの取れる栄養ドリンクとホットアイマスクを置いて、今日もバイト行ってきます。

今日も疲れて帰ってきたみたい。
最近仕事が忙しいらしく、家に入ってきてすぐにベットに突っ伏してしまった。スーツがシワにならないか心配だわ。
ごはんも作って冷蔵庫に入れてあるんだけどなぁ。
彼はそのまま朝まで寝てしまった。

「よう、久しぶりだな」
ほんと、久しぶり！
「今日はなんか予定ある？ちょっと家に居たくなくてさ」
なんで当日に誘うの？！いつ会ってもいいように、今日に限って美容院の予約入れちゃったわよ。
「そっか、じゃあまた予定合わせて旅行でも行こうぜ」
ほんと？楽しみにしてるね！

最近、彼の様子がおかしい。
SNSを見ると職場の後輩の子と仲良く遊んでいるみたいだし、カレンダーに赤で3日間星マークがついてた日も、てっきりわたしと旅行かと思ってたのに、なんで後輩の子とのディナーの写真が載ってるの？
今日だって、彼の家に2人でいるのはなんで？

浮気だ。
許せない。
絶対に許さない。
彼のことを一番わかってて、一番大好きなのはわたしなのに。
ずっと一緒にいたのに。
最低。
……。
ちがう。
あいつが唆したんだ。
彼はそんな人じゃないもの。
あいつが悪いんだ。
あいつさえいなければ。
あいつを消して、わたしの存在を彼の中で大きくしなくちゃ。
髪はこの前美容院で綺麗にしてもらったし、今日もどこかですれ違ったときに見てくれるかもって思って、メイクもバッチリだし。
彼の目を覚させてあげなきゃ。
そして、あのクソは、

地獄に堕ちろ。

わたしはモニターに映る隣のマンションの彼の部屋へ向かった。
左手にはスマホ、右手にはきちんと包丁を持って。