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そうよ。
わたしは悪くない。
同窓会の葉書を受け取ってあの場に行っただけ。
そこで愛梨に手伝ってと言われたから手伝っただけ。
小学生の時の話だってそうだ。
わたしは悪くない。
だって実際に悪口を言ってたのは杏子と亜実だもの。
わたしはただその話を聞いていただけ。
そうよ。
同罪なんかじゃない。
共犯なんかじゃない。
桜は自分に言い聞かせ激しく首を横に振った。けれど、ずっと耳の奥にこびりついている。
──これからもよろしくね。
光希のそれも由香のそれも嘘だった。これから、なんてなかった。でも、愛梨のそれだけは本当のような気がして。これからもずっと離れられない気がして、桜はじわじわと悪習に染まっていくのを感じていた。
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