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「そう? だったらどうして離れなかったの。あなた、聞いた話では卒業までずっとあの二人とつるんでたそうじゃない。それはそうよね。あの二人と一緒にいれば楽だもの。陰口を叩かれることを恐れてみんながあの二人を……いえ、あなた含めて三人をチヤホヤしてたものね」
「そ、それは……だって、あの二人から離れたらわたしだってなにを言われるか……」
「ああ、嫌いだわ。あなたみたいな人、大嫌い。あなたみたいな人がいるから、いじめも誹謗中傷もなくならないのよ。わかる? あなたも立派な共犯なの」
「そんな……っ」
「共犯なの。自分の意見をハッキリ言わず、保身のために流されて同意する。そんな人はずっとずっと誰かの共犯者なのよ」
そう言って愛梨は、桜の手からスコップを奪い取ると「これからもよろしくね」と笑った。
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