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粛々と進行していく卒業式の中で、一番退屈な時間。
校長や来賓の挨拶と祝辞。やたらと自分を偉く見せようとする来賓が特に鼻につく。下手に笑いを取ろうとして失敗したり、聞いたこともない四字熟語の蘊蓄を長々と話したり。卒業式の主役は先輩方だ。あんたたちは脇役である在校生のさらに脇役。演劇部のあたしからすれば、通行人Aとか樹木Bとかそんな存在。校長はともかく、来賓の長い話には他の先生たちもうんざりした様子だった。
ようやく解放されても祝電の紹介。知事とか市長とかの定型句。他にも読み上げられたけど、多分ちゃんと聞いている人はいなかったはず。演劇部に任せてくれたら、もう少し抑揚をつけて感動的にできただろう。主任先生の音読はとても下手くそだった。
前日の暖かさから一転、急に冷え込んだこの日。
寒さでも白けてしまった生徒たちにバトンが返ってくる。
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