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「時をこえるなんて簡単よ。目をつぶって三つ数えればいい」
ハナちゃんは言う、金色の落ち葉が足もとでカサカサ音をたてる、
それほど簡単なら誰でもできちゃうじゃないか、
ぼくがそう言ったらハナちゃんは目をつぶって笑う、
「できるよ、誰でも。でも誰もやらないの。みんな疲れた大人になってしまったから」
でもぼくは、まだ大人じゃないけど…… 気弱にぼくは反論する、
「そうかもしれないね、」
目を閉じたままでハナちゃんは笑う、それからぼくの肩にそっと触れて、
「だったらキミもこえてみたら?」
簡単に言うけど……
「簡単だよ」
そう?
「そうよ。あ、まだ信じてないな? いいよ、わかった。それじゃ、近いうちに一度、わたしが見本を見せたげる」
ほんとに?
「ほんとに」
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